1977年、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスにて結成されたロックバンド。
バンド名の由来はメンバーによって、またその時によって説明が異なっているため、正確には不明である。2012年まで公式ウェブサイト内のバンドヒストリーでは『バンドがデモ・テープを作っていた際に、映画『The Wonderful Wizard of Oz(オズの魔法使い)』を見たばかりであったJeff Porcaroが、映画に登場する犬の名前「トト」をテープに書いてすぐ判別できるようにした。その後、David Hungateが詳しく調べたところ、「トト(toto)」はラテン語で「total」 、あるいは「all-encompassing(網羅的な)」を意味することが分かった。これは数々のセッションに参加していたメンバーの経歴やどんなジャンルの音楽にも対応できるバンドの演奏能力にぴったりであるということから、デビュー・アルバムのタイトル及びバンド名として採用された。』と説明がされていた。Steve Lukatherは「バンド名がブランドになってしまっているからもう変えられないけど、俺はこのバンド名が好きじゃないんだ。俺が命名に関わっている訳じゃないし、気がついたらそういう名前になっていたんだけど。イヤんなっちゃうよ、世界的に有名なトイレメーカーと同じ名前なんだぜ。皮肉っぽくてギャグとしては面白いと思うけどね」と語っている。
一般的には、典型的なAORサウンドと評されている。また、商業的な成功と聴きやすいサウンドを有していることから、“産業ロック”などと表現されることがあり、そういった趣が色濃い曲も数多く、それゆえヒット曲が多いのも事実である。ただし、作品全般を通して聴くと、ハードロックからプログレッシブ・ロック、ジャズ・フュージョンといった、さまざまなスタイルを内包しており、商業性を優先しているとは言いがたい幅広い音楽性を持っている。
専任のボーカリストがいるにも関わらず、ギタリストのSteve LukatherやキーボーディストのDavid Paichがリード・ボーカルをとることが多い(実際、TOTO最大のヒット曲「Africa」はDavid Paichのボーカルである)。また、Steve Porcaroも、リード・ボーカルをとる曲が存在し、2005年加入のGreg Phillinganesも、キーボーディスト兼リード・ボーカルとしての加入で、「Falling in Between」では、彼のリード・ボーカル曲も多くフィーチャーされ、ステージでは、休止中のPaichのボーカル曲を代行しているなど、The BeatlesやKissさながらに、演奏陣が歌うバンドとしても知られている。
デビュー当時がちょうど、汎用IC、LSI(ICの高度集積化されたもの)の低コスト化が本格的に加速し始めた時期であった故、サウンド・エフェクター、シンセサイザーという音楽関連テクノロジーも飛躍的に発達、普及した時期となり、これとぴったり重なっていたこと、及びこういった先進技術の恩恵を潤沢に受けられるロサンゼルスのスタジオミュージシャンからキャリアをスタートさせたことから、当時「スペイシー(Spacy) 」と音楽雑誌が称していた、空間的広がりに散乱するような華やかなサウンドで、ほぼ同時期にデビューしたBostonと並んで、この後1980年代のアメリカン・ロック・サウンドの雛形となったサウンドを提起した。より具体的には、全体のエフェクトにリバーブやゲート・リバーブ、ギターには、コーラスなどを多用し、アンプに通さず直接ミキサーのインプットに入力した、クリスタル・クリーンなどと形容されるギターサウンド、David Paichのジャジーなピアノやオルガン、エレクトリックピアノ、そして、Steve Porcaroのブラス系を含む、煌びやかなシンセサイザー・サウンドは、正に1980年代サウンドのお手本と言える。
しかしながら、初期TOTOにおいて一番その特徴としていえるのが、バンドの中心人物で、ドラマーのJeff Porcaro(MikeとSteveの実兄)のリズムである。基本的に16ビート調の曲が多いのだが、通常の8ビートや16ビートでも独特のハネとウネりがあり、それが初期のTOTOをTOTOたらしめていると言っても過言ではない。特に顕著なのが「Rosanna」に代表されるような3連ゴースト・ノートを多用する16ビートのハーフ・タイム・シャッフルである。Led ZeppelinのJohn BonhamやSteely DanでプレイしたBernard Purdieから影響を受け、Bo Diddleyのパターンも加え、独自にアレンジしたというこれらのリズムは、未だに多くのドラマーの課題となっている(実際、Jeff自身も、Steely Danでプレイした経験がある)。
全員が、Michael Jacksonなどの大物アーティストから依頼の多いスタジオ・ミュージシャンであり、TOTOの成功にも関わらず、スタジオ・ワークを縮小せず、精力的だったこともあり、1980年代には、ジャンル問わず、彼らの関わった作品では良くも悪くもTOTOのようなサウンドが多産されていた。
2015年までに世界で4,000万枚以上のアルバムセールスを記録している。
Current members (リーダーはSteve Lukather)
Steve Lukather – guitars, backing and lead vocals, occasional bass, occasional keyboards (1977–present)
David Paich – keyboards, backing and lead vocals, synthesizers (1977–2005, 2010-present)
Steve Porcaro – synthesizers, backing and lead vocals, keyboards (1977–1987, 1998, 2010–present)
Joseph Williams – lead and backing vocals, occasional keyboards (1986–1989, 1998, 2010–present)