95年の作品。まだ、やっていたのかと思う人もいるでしょうが、彼らはしっかり生きていたのです。しかも、これほどの名作を引っさげて!! 内容は、70年代の大げさな曲展開、これでもかのコーラス、ミック・ボックスのねっとりしたギター、久々の名盤です。これから5年・10年するとヒープ後期の名盤として雑誌などで取り上げられることでしょう。特に、1曲目の(AGAINST THE ODDS)の疾走感、9曲目(LOVE IN SILENCE)のオーケストラを駆使した曲展開は4分の1世紀の実績の賜物でしょう。
名作です! Bernie Showの声は、Steve PerryをよりHR調にした感じ。伸びと艶があって良い声です。 一番の名曲は Time Of Revelationだと断言しますが、Universal Wheels の中盤のナレーションのバックの演奏が良いですね。後のライブアルバム「FEATURE ECHOES OF THE PAST」での演奏を聞いて更に好きになりました!!!
前作DIFFERENT WORLDから約4年ぶりの第21作。その間日本や韓国等アジア地域も含め、世界各国で大規模なツアーを断続的に行っていた彼らは、充実した時間を過していたのであり、決してブランクがあった訳ではない。この間に書き溜めた作品からなるアルバムが本作であり、前作のポップ・ロック志向よりずっとへヴィーな仕上りだ。緊迫感のあるランゾンのキーボードに導かれて、ボックスのへヴィーなギター・リフで始まるAGAINST THE ODDSで幕を開け、70年代黄金期をも彷彿とさせるTIME OF REVELATION、ランゾンのキーボード・センスが光るMISTRESS OF ALL TIME、ボルダーのボーカルをフィーチャーしたFEAR OF FALLING、様式美にもこだわったLOVE IN SILENCE、コーラスが美しいアコースティック・ナンバーDREAM ON等名曲が並ぶ。そしてアルバム全体に漂う哀愁感はブリティッシュ・ロックらしい空気が感じられ、素晴らしい作品となっている。また、音の輪郭がはっきりとしたサウンド・アレンジにも好感が持てる。そして'72年の「魔の饗宴」以来実に23年振りとなるロジャー・ディーンのアートワークも、アルバムの素晴らしさを更に引き立たせるのに十分な幻想的世界を表現している。90年代ヒープの最高作と言えるだけでなく、黄金期の作品群と同等の質の高さを見せ付けた作品だ。