解説 1989年、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴにて結成されたロックバンド。 1985年、ロングビーチで行われたBlack Flagのライヴにて、Scott WeilandとRobert DeLeoが出会う。意気投合した彼らは、Swingなるバンドを結成。程なくして、Robertの兄Dean DeLeoとEric Kretzが加入すると、バンド名をMighty Joe Youngと改める。地元サンディエゴのクラブ・シーンで徐々にファン層を拡大していくが、シカゴ出身の同名のブルース・ミュージシャンから訴えられたことでバンド名の変更を余儀なくされ、数回の改名を経て、Stone Temple Pilots(STP)を名乗ることになった。また、「スポーツ・チームみたい(動物の複数形)なのはダサいから、意味に繋がりなんて全くない単語の羅列で名付けた」というエピソードもある。 1992年、Atlantic Recordsと契約を交わす。同年、プロデューサーにBrendan O'Brienを迎えたデビューアルバム『Core』を発表。全米2位、700万枚以上の売上を記録し、「Sex Type Thing」や「Plush」といったシングルもヒットした。一方、その音楽性が「グランジかぶれ」だとして強い批判も浴びた。 1994年には2ndアルバム『Purple』を発表。全米1位に輝き、Nirvana、Pearl Jamらの二番煎じという声を跳ね返した。しかし、直後にボーカルのScott Weilandが薬物不法所持で逮捕。これ以降、Weilandは私生活でトラブルを繰り返すようになり、他のバンドメンバーとの間に人間関係の溝が生じることになった。同じ屋根の下で生活しているにも関わらずWeilandと他の3人が顔を合わせないという状況でレコーディングが行われ、1996年に3rdアルバム『Tiny Music...Songs From The Vatican Gift Shop』を発表。従来よりメロディを重視する音楽性へ変化し、全米4位を記録する。ところが、Weilandが再び薬物で逮捕され1年間の保護観察処分を受けたことでツアーが打ち切られ、売上は伸びなかった。この状況に業を煮やした残りの3人のメンバーは無名のヴォーカリストを加えTalk Showという名義で活動を開始。一方Weilandもソロ・アルバム「12 Bar Blues」を発表する。冷却期間を経て互いの価値を再認識したバンドは関係を修復し、1999年に4thアルバム『No 4』を完成させる。発売直前にWeilandが薬物関連で1年間服役することになったため、ツアーは彼の出所を待って行われた。2001年には5thアルバム『Shangri-La Dee Da』をリリース。Korn主催のFamily Values Tourのヘッドライナーとして、Linkin Parkらとツアーを行う。翌2002年にはオズフェストの出演を辞退して新作に取り掛かるが、秋にバンドは突如解散。Weilandは元Guns N' Rosesのメンバーと組み、Velvet Revolverを始動させた。 2008年2月に再結成が発表され、5月から全米ツアーを開始。2010年5月に6thアルバム『Stone Temple Pilots』をリリースし、全米初登場2位と復活をアピールした。翌月には、バンド初のライヴ映像作品『Alive In The Windy City』を発表した。 2013年2月、公式サイトにてWeilandの解雇を発表。5月には、Linkin ParkのChester Benningtonを迎えたことが明らかになり、新曲「Out of Time」も発表された。これに対し、Weilandは自分はまだSTPのメンバーであり、バンドの名義は自分にあると主張。現メンバー側はWeilandがSTPデビュー20周年のツアーを反故にしたのが解雇の理由であると反論し、バンドの法的権利をめぐって訴訟を提起。Weilandも反訴した。9月から全米ツアーを開始し、翌10月にはStone Temple Pilots with Chester Bennington名義で新作EP『High Rise』を発表するも、翌年にはBenningtonが友好的に脱退。 2015年12月3日、Scott Weilandが自身のバンドThe Wildaboutsでのツアー中にバス内で死亡。現在バンドは、新ヴォーカリストを募集している。 2010年までに、世界で1860万枚以上のアルバムセールスを記録している。