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WHERE WARRIORS ONCE DREAMED A DREAM (2016年)
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WHERE WARRIORS ONCE DREAMED A DREAM
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解説 - WHERE WARRIORS ONCE DREAMED A DREAM
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1. 失恋船長 ★★★ (2020-10-22 17:11:44)

まずバンド名が渋い。光栄のシミュレーションゲームやNHKの人形劇の影響もあり、大好きな世界である三国志、その中でもゲームではポンコツの部類に入る(知能が低いのですぐに計略にかかる、また三國無双などでもヤラレキャラだ)。マニアウケの孟獲率いる、藤甲軍団の武将、兀突骨をバンド名にした、国産デスラッシュバンドのフルアルバム。
川崎の残虐王の名を持っているらしいが、その異名に偽りなし、和のテイストを持ち出しつつも、臭くならず世界を相手に戦えるだけの個性と質の高い音楽性を披露。
三位一体となり繰り出される泣く子も黙る暴虐性、そこにそこはかとなく流れる悲哀のメロディ、戦火の果てに命を落とす兵どもの夢のあと先、儚く散るはな、刹那な世界を唯一無二の個性へと変換させ、無慈悲なる暴力的なサウンドの中で有機的な絡みを魅せ独自性をアピール。西洋の音楽性を和をもって迎え入れているが、けして飲み込まれることなくハイブリットさせたバンドの柔軟さに恐れ入る。
これは海外志向ではなく、日本から生み出されたエクストリームミュージックなんだと胸を張れますね。凄みのあるデスヴォイス、おおよそトリオとは思えない分厚い音像、先鋭的でトゲトゲしい密度の濃いヘヴィサウンドの凄み、重量感たっぷり、死者の怨念が渦を巻き、生者を祟り呪い殺すが如き変化自在のヘヴィグルーブ、その圧倒的な破壊力で打ち鳴らされるドラムと、アイデア豊富な才人、高畑のスラップするベースからは、グラインドコアは勿論、インダストリアル系からの影響も感じられ、個人的には新鮮に耳に響きました。
特筆すべきは芸達者のギター、雄々しい怒号を上げるバンドサウンドの上を喜怒哀楽を用いて縦横無尽に駆け巡り、苛烈なるバンドサウンドに表情を付けている。戦いに身を置くものの儚き命、円城寺のギターは実によく唄っている。

聴くたびに思うのは実に芸の細やかなバンドであるという事、技巧的にも海外の一流ところと比べても遜色なし、アグレッションに埋没させない有機的な響き、その確かな人間力がこれほど織り込まれているデス系を、私は余り知りません。門外漢も甚だしいので言及はしませんが、このバンドには、実に人間臭さが音に溢れている。それが最高に好きです。

ライブのSE的に意味を含むインストナンバーの①から始まる、彼等が提示した戦国絵巻にスキは見当たらない。

それにしても何故、兀突骨なんだろう。三国志好きなら、一度や二度、理不尽な奴に向かって、董卓みたいだなぁとか、喧嘩の強いやつを呂布奉先扱いしただろうが、兀突骨を選んだセンスが素晴らしい。狙い過ぎるとダメだから、語感も含め絶妙です。個人的には三国志ポンコツキャラと言えば、真っ先に思い浮かぶのは曹豹です。内政に向かないし、戦闘に出しても戦う前に計略でボロボロになるんだよなぁ。言いたい名前だと武安国、董荼那、阿会喃、帯来洞主、祝融夫人とか出ますね。



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