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Live at Pompeii / PINK FLOYD
ギターの国から2002.遺言 ★★ (2004-05-14 06:42:00)
観客の一人もいないライヴ。
PINK FLOYDが1971年に発表したイタリアはポンペイの円形競技場で行ったライヴの模様を2003年、DVD化に際し新たな映像やインタビューを加えて編集し直したものだ。正式にCD化はされていないがこのライヴは映像がないと作品として成立しない。なぜならこれはPINK FLOYDの映画として撮影されたものだからだ。
廃墟のような円形競技場の真ん中に機材だけを持ち込み、観客が一人もいないその場所でバンドが演奏する。と聞くとなんだか面白くなさそうだが、実はその逆で非常に観ていて興奮するし演奏も熱い。そしてなんともその雰囲気に圧倒されてしまう。随所に挿入されるポンペイの廃墟や遺産物の映像が、当時のFLOYDの音楽の危険さや野蛮さ、そして神秘性に溶け合い、もの凄いまでの神々しい雰囲気を創り上げる事に成功しているのだ。
「おせっかい」のレコーディング期間に撮影されたものらしく、やはりメンバーがみな若々しい。更にニック・メイスンのドラムはスタジオ盤よりも激しく荒々しく、またそのばち捌きが半端じゃなくカッコいい。脇を締め、力強くも一つ一つスナップを効かせながら丁寧に叩いていくその姿。美しいです。
「どんな映画を撮っているんですか?」と聞かれ、「ロックンロール」と答えるロジャーの言葉が印象的だ。

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