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Just a Game / TRIUMPH
火薬バカ一代 ★★ (2007-12-17 21:50:00)
前2作の成功を受け、米メジャー・レーベルのRCAと契約。アメリカ・デビューを飾った、'79年発表の3rdアルバム。
荒削りなロックンロール色が強かった初期数作に比べ、最初からアメリカ市場を視野に入れて作られた本作はハードさが後退。
楽曲もコンパクトにまとめられ、キャッチーなメロディが前面に押し出された、マイルドな作風に仕上がっている。
ロックンロール色と共に、“BLIND LIHGT SHOW/MOON CHILD"や“THE CITY"のようなプログレッシブ・ロックの
薫りを漂わせた、複雑でドラマティックな楽曲が姿を消してしまった点は残念だけれども、1曲1曲が丁寧に練り込まれ、
哀愁のメロディと強力なフックに満ちた、洗練された収録曲の数々は、いよいよ「泣きメロ職人」としてのセンスを
スパークさせ始めたリック・エメットのエモーショナル極まりないGプレイと併せて、非常にハイクオリティ。
洗練されたメロディアス・ロック・チューンの①に始まり、哀愁に満ちたメロディと「泣き」を発散する歌声が
息苦しい程の盛り上がりを演出する②⑤、咽び泣くバラード③、Gソロに“星条旗よ永遠なれ"を組み込んだ
ノリノリの④、エメット先生の生ギターの妙技にウットリさせられる⑥、ヒット・シングルとなった爽快な⑦、
ラストをムーディに締めるブルーズ・ナンバー⑧と、全編これ一切の捨て曲なし。
・・・と、高い完成度を誇る作品にも関わらず、何故かTRIUMPHのオリジナル・アルバムの中では影の薄い本作だが、
こと「泣きメロ」のクオリティに関しては、彼らの作品の中でもトップクラスに位置する1枚と、
個人的には信じて疑わない次第。メロディ愛好家は是非ご一聴を。
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