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The Dark Flower / CYDONIA
某 ★★ (2005-03-24 13:31:00)
イタリアンメタルの新星、Cydoniaの2ndアルバム。
さてイタリアン"クサメタル"バンドとして登場し、わりとよく出来た1stアルバムを引っさげてCydoniaはデビューしたわけなのだが…
私がこのCDを中古で買った、その中古CD屋でこのCDは「お勧めしません!」と紹介されていた。
本作"The Dark Flower"はそんな1stアルバムとはまったく違った方向の音楽性の詰まったアルバムとなっている。
具体的にどんな作風になったのか、詳しく記しておきたい。
まず、音はずいぶんヘヴィーかつアグレッシブになった。また曲調も
ストレートなメロパワ路線から、どことなくプログレッシブでモダンで普遍的なヘヴィーメタルっぽくなった。
その路線変更を経てCydoniaは聴くに値しない散漫な音楽性のバンドになったかというとまったくそういうことはなく、
基本的にヘヴィーな曲調で展開するが、サビなどで突然メロパワらしい流麗なメロディーが出てきたり
心地よい緩急がついた、一筋縄ではいかない音楽性になった。
プログレ風味、というと身構えてしまう人もいるかもしれないが、その点Cydoniaはうまく消化し、これまでの哀愁メロディーもばっちり生かしている。
また作風の変化に伴ってKeyの音色もいい感じのデジタル音になり、また女性ボーカルなどのアクセントもいい感じに効いている。
個人的に気に入っているのはオープニングチューンで女性ボーカルのアクセントがかっこいい1曲目"Midnight Man"、
ゆったりとしつつも綺麗でヘヴィーな2曲目"Voices"、ラップ調なAメロBメロを経てドラマチックなサビメロへと突入する3曲目"One Last Crime"、
やはりヘヴィでアグレッシブなAメロBメロを経てメロディアスなサビに入るタイトルラック"Dark Flower"、
やたらメロディーが頭に残る5曲目"Invisible"など。どれもドラマチックな展開が嬉しい。
しいて難点を挙げるとしたら、ボーカルがごくたまにちょっとB級っぽい雰囲気を出すところだけど…
低~中音域に関していえば、このパワーのあるボーカルはすごくいい仕事をしてくれていると思う。
こてこてのパワーメタラーにはつらい方向転換であるとは思うけれど、Cydoniaは是非この路線を貫いて
イタリアンメタルの、ひいてはヘヴィーメタルの新しいジャンルを開拓して欲しい。
→同意