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Souls of Black / TESTAMENT
火薬バカ一代 ★★ (2008-09-21 20:35:00)
TESTAMENTのライブの定番ソングとして知られ、先日行われたTHRASH DOMINATION 08でも勿論披露された泣きの名バラード“THE LEGACY”を収録する、'90年発表の4thアルバム。
スラッシュ・メタル・シーンが拡散を始めた時期に制作された作品ゆえ、スラッシーな疾走感やアグレッションをグッと控えめに、よりノーマルなヘヴィ・メタル化が進んだ作風(あと、イマイチな音質)が、ファンの間で賛否両論を呼んだ本作なれど、個人的には前作『PRACTICE WHAT YOU PREACH』よりも好きな1枚だったりする。
その最大の理由は、余りにドライな仕上がりだった『PRACTICE~』に比べ、メロディにヨーロピアンな叙情性が戻って来ている点で、その頂点たるのが、TESTAMENT初の本格的なパワー・バラードの⑧。ここで聴く事の出来る、アレックス・スコルニックの艶と光沢を兼ね備えた官能的な泣きのGソロは、筆舌尽くし難い素晴しさを誇っている。
まぁ、ミドル・テンポでまとめられた、その他の収録楽曲の地味さには如何ともし難いものがあるものの、エキゾチックなメロディが爪弾かれるアコギ・インスト①から繋がっていく、正統派HM然とした仕上がりの②や、ムーディなGソロに耳惹かれる⑤、スラッシーなスピード・チューン⑥、ドラマティックな⑦、アップテンポでアグレッシブな⑧・・・と、本編後半に並ぶ楽曲は十分にカッコイイ。地味とは言え、このクオリティの高さは立派だ。
キャリア絶頂期にあった頃のTESTAMENTの、余裕のようなものすら感じられる1枚。
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