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The Sport of Kings / TRIUMPH
火薬バカ一代 ★★ (2007-12-22 21:26:00)
二ール・ショーン、エリック・マーティンといった外部ライターとの共作など、アルバム作りに執拗に口を挟んでくる
レコード会社の存在、ロン・ネヴィソンからミック・クリンクへのプロデューサー交代劇、リック・エメット(G)と、
ギル・ムーア(Ds)&マイク・レヴァイン(B)の対立etc・・・と、バンド内部が軋みを上げる中で制作、'86年に発表された8thアルバム。
レコード会社の要望に従い、ポップで穏やかな作風が強調された本作からは、ブルージーな泣きや、
ドラマティックな曲展開といった「濃い」要素が一掃され、収録曲は何れも爽やかでシンプルな仕上がり。
完全にKeyが楽曲の主導権を握っていて、G以上に目立ちまくる場面も多いため、初めて本作を聴いた時は
「随分、産業ロック化が進んだな~」と感じたものだが、ぶっちゃけ産業ロックも大好物なので、個人的には無問題。
ほんのりと哀愁の漂う④を筆頭に、メロディアスな楽曲は聴き応え十分だし、何より、悪化の一途を辿っていた
バンド内部の状況が、作品の出来に全く影響を与えていないの点は、流石ベテラン・バンドといったところか。
ただ、アルバムの完成度とは別に、「泣き」を潜めたエメット師匠の裏方に徹したGプレイや、
かつてのTRIUMPHらしさをしっかりと残した、スパニッシュ風味のインスト序曲⑧から繋がる、
泣きメロをフィーチュアしたハードな名曲⑨が完全に浮いてしまっている本編を聴くと、
「何も彼らがこの路線を演らんでも・・・」と思ってしまうのも、また事実なのであった。
1曲1曲は魅力的なのだが、正直なところ「TRIUMPHらしさ」は希薄と言わざるを得ない1枚。

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