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Test for Echo / RUSH
クーカイ ★★ (2002-05-14 22:16:00)
スタジオ作では通算16作目。'96年発表。
前作で少しグランジーな音にちょろっと色目を使った(ただし、彼等の場合売るために流行の音を取り入れるのではなく、「へー、またこういうハードなプレイが流行っているのか。なんか昔を思い出して血が騒いでくるな!」というノリだと思う)彼等だが、本作ではその"グランジーなノリ"も咀嚼しており、また一歩進化した感がある。
RUSHというバンドは、だいたい4作品の中である一つの方向性を追求するのだが、同一の方向性の中でも少しずつ方法論を変えてくる。それでいながら、前作までに試した方法論が必ず楽曲群のどこかに息づいているのが特徴。故に、聴き手は「裏切られた」と思うことなく、RUSHの"実験の成果"を楽しむことができるのである。
本作は『PRESTO』から始まった第4ターンの最終作にあたり、『PRESTO』で提示された、"コンパクトな楽曲でHR特有のダイナミズムを、ハードかつオーガニックに表現する"という方向性の完成形を見ることができる。
発売間近となった最新作はまた方向性が変わっていると思うが、彼らはどこに向かおうとしているのか。楽しみである。
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