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Everybody's Crazy / MICHAEL BOLTON
火薬バカ一代 ★★★ (2025-02-12 23:54:33)
マイケル・ボルトンがニール・カーノンを共同プロデューサーに迎えてレコーディングを行い、'85年に発表した2枚目のソロ・アルバム(ボロティン時代も含めると4作目)。
当時のレコード会社が付けた《ひとりメタル》なるキャッチコピーや、邦題『クレイジー・ガイ』等からは若気の至り感が漂ってきますし、ヒット・シングルに恵まれなかったどころか、ビルボード・チャートにランクインすることすら叶わなかったコケ具合も手伝ってか、彼のカタログの中にあってほぼ黙殺に近い扱いを受けがちな不遇っぷりではありますが、例えセールス的に失敗しようとも、それと内容の素晴らしさとは無関係。煌びやかなシンセ、哀愁のメロディ、キャッチーなコーラス・ワーク、分厚いハーモニーをふんだんに纏ったメロハー・サウンドは、「これをなかったことにするなんて勿体なさ過ぎる!」と握り拳振り上げたくなる、同時期のJOURNEYを彷彿とさせる充実度の高さを誇っています。
キャッチコピーほどメタリックではないものの、盟友ブルース・キューリック(G)、曲作りでも貢献するマーク・マンゴールド(Key)、元MSGのデニス・フェルドマン(B)という参加メンバーの顔触れ(Dsは打ち込み)が物語る通り、奏でられるサウンドには前作同様ロックのエッジがぴりりと効かされ、何よりマイケルのソウルフルなVoはこの時点で既に絶品の域。ハジけるようにアルバムの開幕を告げる①、本編中最もHR風味が色濃い③、思いっきり売れ線の(売れなかったけど)バラード④、ランディ・グッドラム提供のポップな⑥辺りは、優れた曲と上手い歌の組み合わせの妙が堪能できる名曲に仕上がっていますよ。
長らく廃盤状態が続いておりますので、再評価の機会を得るためにもぼちぼちリイシューをお願いしたいところなのですが…。

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