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Another Time and Place / ROOM EXPERIENCE
火薬バカ一代 ★★★ (2025-01-31 01:08:33)
'16年にリリースされるや速攻完売/廃盤となったデビュー作のプレミア・アイテム化が著しい、ジャンルカ・フィルモ(Key)率いるスウェーデンのROOM EXPERIENCEが、91 SUITEのイヴァン・ゴンザレス(G)やSTREET TALKのスヴェン・ラーション(G)ら多数のゲストに招いてレコーディングを行い'20年に発表した2ndアルバム。
日本での所属先だったANDER STEIN MUSICが店じまいをしてしまったため残念ながら国内盤発売こそ見送られてしまいましたが、リードVoにPINK CREAM 69のデヴィッド・リードマンを、プロデューサーがこのプロジェクト立ち上げ以前からの付き合いであるWHEELS OF FIREのダヴィデ・バービエリ、そしてミックスは売れっ子アレッサンドロ・デル・ヴェッキオが担当するという鉄壁の布陣が敷かれた本作が、前作に勝るとも劣らぬクオリティを有する仕上がりとなることは自明の理であったと。
今回は曲によっては何故かデイヴィッドのVoがえらく音痴に聴こえるっつーか、もっさりと響いてしまう点が玉に瑕なれど(パフォーマンスの問題なのかアレンジの方に原因が求められるのか?)、OPナンバーにして早くもアルバムを出来栄えを確信させてくれる①、哀愁を湛えて軽やかに踊る②、ジャンルカが歌うバージョンもボートラとして収録する泣きに満ちたバラード⑤…と、フックを効かせたメロディ構築術が冴え渡る楽曲の連続を前にすれば些細なことですよ。中でも思わず眉が八の字になってしまうぐらい歌メロもGも哀愁塗れの⑩は、こちらがROOM EXPERIENCEに期待する要素がてんこ盛りに盛られた名曲。
このクオリティで何でマーキー/アヴァロン辺りから日本盤が発売されなかったんでしょうか?と首を捻らざるを得ない力作です。

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