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Eye of the Sun / CLOVEN HOOF
火薬バカ一代 ★★★ (2025-01-29 01:27:24)
メンバー4人がそれぞれ「FIRE」「AIR」「EARTH」「WATER」を名乗り、NWOBHMに沸く英国から'80年にデビューを飾った悪魔の蹄CLOVEN HOOF。3枚のアルバムを残して90年代以降は消息を絶っていた彼らが再結成を遂げ、'06年にESCAPE MUSICから発表した通算4枚目となる復活作がこれ。
CLOVEN HOOFというと、デビュー作で聴かせたシケシケでシアトリカルな作風の印象が強いですが、オリジナル・メンバーのAIRことリー・ペイン(B)以外の顔触れをも一新して制作された本作においては、現代的なヘヴィネスを加味しつつよりタイトに引き締まった硬質なHMサウンドを披露。オカルティックなオドロオドロしさは然程でもないとはいえ、これぞブリティッシュ!な翳りは十二分に保たれていますし、何よりCLOVEN HOOFのカタログの中では2nd『DOMINATOR』(’89年)を最も愛聴する身としましては、この方向性は落胆には当たらず。むしろウェルカムなぐらいもので。
まぁ、その傑作『DOMINATOR』と比較すると収録曲のクオリティにややムラっ気が感じられ、また“REACH FOR THE SKY”や“FUGITIVE”級のキメ曲も見当たらないのですが、ザクザク刻まれるGリフを伴って突き進むOPナンバー①や、畳み掛けるように疾走する⑦、からのドラマティックな⑧へと繋げる緩急を生かした展開、そして本編の締め括り役に相応しい劇的さを有する⑩といった楽曲は、そうしたマイナス点をカバーして余りあるカッコ良さを誇っていますよ。
帰還の挨拶のハードルを楽々と飛び越えてきた力作。今からでも日本盤出しません?

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