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Talor Made
火薬バカ一代 ★★★ (2024-09-26 23:55:28)
80年代後半にLAで結成され、クラブ・シーンで腕を磨いたという4人組TALOR MADE(テイラー・メイド)が自主制作でレコーディングを行い'96年に残した唯一作がこちら。
80年代の余勢で、もしかしたらヒットもワンチャンありえたかもしれない3、4年前ならともかく、’96年といえば既にシーンの趨勢はダーク&ヘヴィ路線へ決定的に傾斜済み。むしろ「80年代的なもの」に対する風当たりが最も強かったようにも思える時期ゆえ、アメリカは勿論ここ日本でも全く話題に上ることなく埋もれてしまった彼らですが、ただ廃盤となってしまった今でも本作が中古盤市場においてそれなりの高値で取引されていることが物語る通り、キャッチーなメロディ、分厚いハーモニーに包まれたアメリカン・メロハー・サウンドの完成度はマニア筋からは高く評価されていました。
自主制作盤ゆえの音の薄さは如何ともし難いものの、軽快なピアノをフィーチュアしたポップ・メタル・チューンあり、テクニカルなGが躍る正統派HMナンバーあり、確かな歌唱力を有したシンガーの存在が映える叙情ナンバーありと、バラエティ豊かな収録曲はプロダクションのイマイチさを補って余りある魅力を発散。ことにLAのバンドながら哀愁のメロディ作りの手腕には際立ったものがあり、(誉め言葉として)教科書通りのパワー・バラード②、泣きメロをエモーショナルに紡ぐGにグッと引き込まれる⑥、サックスの導入も効果的な哀愁に満ちた⑧というバラード系の楽曲のクオリティは群を抜いていますよ。
作曲を一手に担っていたトロイ・パリィ(Vo、G)は今何をやっているんでしょうかね。これほどの逸材を埋もれさせておくのは勿体ないことこの上なしなのですが…。
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