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Rock 'N' Roll Ain't Pretty / Jaded Lady
失恋船長 ★★★ (2022-10-26 16:39:15)
元祖ガールズアメリカンメタルバンドの一つに数えられるLeather Angel、メンバーチェンジを行い見た目も厳ついレザースーツを脱ぎ捨て、当時流行のグラムなスタイルを取り込んでいる。その反面、音楽性の幅は広がりつつもパフォーマンス力も向上、シンガーであるテリー・オリアリーの成長は著しく、妙にアンニュイは唄い回しは影を潜めた。レコーディングにおける演奏力も向上、商品価値も高まっている。
この作品がどのような形でレコーディングされ、どのような形で世に出たのかは分からないが、バンド活動の難しさに直面したのは間違いない。男性社会おける女性ミュージシャンとしての立ち回りの難しさ、同じ事をやっても色眼鏡で見られたろう。またレコード会社も、契約の際には平気で音楽性に口を出し、売れる物へと変換される。RATTもメジャーデビュー後は垢抜けた。
それだけに、ここで聴けるサウンドは正にダイヤの原石である。磨けば光るメロディックかつ硬派なアメリカンメタルサウンドは、どれもが及第点を超えているだろう。一撃必殺の名曲は無いかも知れないが息切れもしない聴き応えのあるEPである。でもマイナーなサウンドに耐性の無い方にはチョイと厳しいでしょうね。
ちなみにこのバンドは、アン・ボイレン首謀のNew Renaissanceレコードからリリースされたガールズメタルバンドを集めたコンピ作『Ladykillers』に今作にも収録されている「On the Run」を提供しています。
このバンド、今の方が確実に評価されるでしょうね。80年代のアメリカのロックシーンにおけるバブリー感はハンパ無かった。硬派なバンドなんで必要ないもんね。みんな姿形を変えられましたよ。このバンドから、そういう苦悩と妥協点を見いだすことが出来ます。
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