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Tales of a Future Past / MEKONG DELTA
悪い悪魔 ★★★ (2022-01-10 15:59:31)
変態スラッシュMekong Deltaの2020年作です。
僕はこのバンドの作品はKaleidoscopeまでしか聴いておらず、近作は全く聴いていないのですが、昔から芯の部分は変わっておらず安心しました。
だがしかしですね、アルバムの途中に挟まっているLandscape2やWhen All Hope Is Goneなどのクラシック、オーケストラ風の曲がイマイチで、個人的にこれらはいらないかなと思いました(最後のLandscape4は中々良いのですが)。
というのも、色々なクラシック作曲家(主に近現代)から影響を受けているらしいラルフですが、クラシック音楽の作り方が分かっていないのか、どうにもクラシック、オーケストラ風の曲はツメが甘いように感じます。
これは昔のアルバムでも同じで、元々あるクラシック曲のカバーは原曲が良いからそこまで残念感はありませんが、オリジナル曲のストリングスやオーケストレーションを取り込んだクラシック風の曲はどれもイマイチだった印象があります。
もう少し、メロディの作り方やハーモニーの勉強をすれば良いのにな、と思いました。僕がMekong Deltaの音源を聴いた限り、インタビューなどでクラシックがどうたらと語っているラルフですが、まともに和声の勉強をした人にはとても思えません。
まあ、僕はあまり近現代のクラシックを聴かないので、そこらへんのところを掴みきれてないのかもしれませんが。
ただ、近現代のクラシックを聴いたならもっと面白く音を重ねると思うんですよ。
ストリングスやオーケストレーションの使い方があまりにもつまらないし、ハーモニーも凄く薄いので、和声やクラシックの勉強がんばれ、ラルフ!って感じです。
しかしですね、いつもの奇数拍子、混合拍子をバリバリ使ったメタルチューンは流石の出来でこれらの曲はとてもかっこいいと思います。
それだけにクラシック風の曲が余計に邪魔に思えるんですよね...。
あと、Mekong Deltaのメタルチューンを聴くと、クラシックとかなんとかよりRushの影響の方が強いと感じるのですが、ラルフはRushを意識しているんでしょうかね?
ボーカルに関しては昔より上手い人になっていますが、ラルフのメロディセンス、というかメロディの作り方が良くないので、上手く活かせているようには思えませんね。
このダメダメな歌メロのせいもあってほとんどの曲が印象に残り難くいものになっていると思います。特に8曲目はボーカルメインの曲なのですが、メロディも伴奏もつまらなく、酷い出来だと思っています。9曲目も同じくボーカルメインの曲ですが、8曲目に比べてマシな出来だと思います。ただエレキギターは入っておらず、最早メタルじゃないので頂けない部分はあります。
てことで、品質は昔から変わりなくいつものMekong Deltaといった感じです。なので今までの作品が好きな方には抵抗なく受け入れられる作品だと思います。
ただ前述した通りクラシック風の余計な曲があるため、密度はDance of Deathには敵わないかな、と思います。
それでもこのバンドが好きなので星3つつけちゃいます。
→同意