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Stagefright / WITCHFYNDE
失恋船長 ★★★ (2021-02-26 16:49:32)
92年に我が国のみでCD化されたレア盤も存在するNWOBHMバンドの2nd。活動キャリアは70年代の中頃にはありポッと出の新人ではない、それだけにマテリアルもあったのかデビュー作の同年に間髪入れずに世に出している。
オープニングナンバーこそ、オカルト神秘主義をど真ん中で受け止めているサウンドを披露しているが、その要素は徐々に薄れ、③のような軽快なロックナンバーが始めれば、事前に聴いていた話と違うぞという事で戸惑いを覚える。
その要素は、マイナスに働いておらず、サタニズムな歌詞もあるのだろうが(日本人なので英語はわかりません。勿論訛りも何十年聴いてもわかりません)全般的には英国流儀に根差したロックサウンドを踏襲、前作の流れを受け止め幅を広げてきた印象も強く、ヘヴィでダークなオカルト神秘主義に傾倒することなくバランス感覚を用いているのが面白い。
他人からの伝聞なので確証はないのだが、このバンドデビュー時、ミュージックライフ誌のレビューで、リズムもメロディもないヘヴィなバンド、みたいな評価をされたり、悪魔的な紹介をされたと聴かされた。
そういうイメージを抱く人は多く、同じような意見を他所でも聴かされたが、個人的に、そう思ったことは一度もなく、英国的な情緒をふんだんに含み、恐怖を演出するような曲もあるグループだと思っている。
重ねるが、英語の歌詞を理解できないので、音そのもので判断すると、全然怖くはない。ダークな曲調も英国流儀だろうし、70年代のJP的なエッセンスの方が強いと思っている。確かにサバス的なアプローチもあることはあるが、その影響を表に分かりやすく出しているわけでもない。
何故、当時、悪魔だ徹底的なヘヴィネスを極めたと呼ばれたのかは疑問だが、そういう見地からいけば、今作は方向性を変え大胆に攻め込んだアルバムに映るだろう。
現代的な解釈でいけば、古典英国ロックの純然たる系譜に連なる一枚以外の何物でもない。
玉石混交、百花繚乱を極めたNWOBHMムーブメント、付和雷同することなく多様性を孕んだシーンを楽しんで欲しい。百鬼夜行の如き群れを成す、多くのバンドたちの夢の跡を辿るのも面白いですよ。
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