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DRIVE SHE SAID / DRIVE,SHE SAID
火薬バカ一代 ★★★ (2020-12-21 23:20:10)
半世紀近くに亘り活動を続けるアメリカン・メロハー界の良心、マーク・マンゴールド(Key)が、盟友アル・フレッチ(Vo)と立ち上げたプロジェクト、最早マークのライフ・ワークとさえ言えそうな(の割に余り評価がパッとしないのが痛し痒し)なDRIVE, SHE SAID。本作は彼らが'89年にCBS傘下のIMAGINE RECORDSからリリースしたデビュー・アルバムで、プロデュースはマーク本人が担当。幾つかの楽曲ではアルド・ノヴァの名前も共同プロデューサーとしてクレジットされ、またボブ・キューリックやフィオナ、トニー・ブルーノ、ケニー・アーロンソンらをゲストに迎えレコーディングが行われています。
ここで聴けるのは、「TOUCHがアルバム1枚きりで解散せず、80年代も作品リリースを重ねていたら、多分こんな音を出すようになってたんじゃなかろうか?」と思わされる、ポップで洗練されたメロハー・サウンド。ヤスリでエッジを削ぎ落したみたいな売れ線狙いのプロダクションがHR/HMならではのエキサイトメントを著しく低下させつつも、楽曲にフックを作り出すマークのKeyと、アル・フレッチのパワフルなVoがサウンドにメリハリを付与してくれていて、右から左へBGMとして聴き流すような真似はさせません。
正直、TOUCH時代の名曲“愛は謎のストーリー”のリメイク③のインパクトが他の楽曲の存在を食ってしまっている感はあるのですが、それでもフロア対応のリズムとファッショナブルなシンセ・サウンドに負けじとアルのロック・シンガー然とした熱唱が芯を通す⑨等、本編はマークの曲作りの腕前が既に健在であることを示す秀曲揃い。
数年前の引っ越しで国内盤の帯をなくしてしまい非常に落ち込んだので、そろそろ再発してくれないものかなぁと。
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