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Peace Sells... But Who's Buying? / MEGADETH
失恋船長 ★★★ (2020-11-23 17:03:30)
ジャズ畑出身のドラマー、ガル・サミュエルソンと、フュージョン・ジャズ系への道へ進むクリス・ポーランド、両者の嗜好が明確に音楽性に反映されるかのような、一筋縄ではいかぬ要素も増大。切れ味抜群のリフワークとリズムプレイのおかげで独特の緊張感を生み出す事に成功。
どこか人を突き放す冷徹なる印象を与えるムステインのシニカルな歌い回しもバッチリとハマり、唯一無二の音楽性を確立している。彼が呼んだインテレクチュアルスラッシュなる言葉が、多くの若者の頭にインプットされた。どこか近未来的サイバーワールドな世界を感じさせる、無機質さも相まって、彼が発した言葉は浸透していく。
また当時としては、かなり過激な音楽性に突き進んでおり、その攻めの姿勢はスラッシュムーブメントの火付け役となり、これから新しものが来るぞと予感させる一枚でもあった。
今の若い人にとっては、どこが過激なんだと思うかもしれないが、当時としては、革新的な音楽性であり、今なお受け継がれるスタイルの雛形でもある。
今作を最後にバンドを去る、クリス・ポーランドのギタープレイも、個性豊かなスタイルを築いており、この知性溢れる音楽性に一役買っている。独特の音使いは形容しがたい魅力があった。
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