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Vivas Machina / HITTMAN
火薬バカ一代 ★★★ (2020-11-19 00:11:04)
復活作が評判を呼んでいるニューヨーク出身の5人組が、デビュー作から4年のブランクを経て、’92年にSPV/STEAMHAMMER RECORDSより発表した2ndアルバム。
前作はアメリカのバンドとは思えぬヨーロピアンな風情漂う正統派HMの名作でしたが、プロデューサーにEXTREMEとの仕事で知られるボブ・セント・ジョンを起用した今作では、曲によってはファンキーに跳ねるリズムや、明るくハジけるコーラス・ワークといった、まさしくEXTREMEっぽい要素を導入する等、音楽性が若干拡散。これを「意欲的」と評価するか、「散漫になってしまった」とガッカリするかは聴き手次第といったところでしょうか。
初めて聴いた当時は、印象に残る曲とそうでない曲がハッキリと分かれてしまっている点にテンションが上がりきらず、後者寄りの感想を抱いたりもしましたが、ただ、これまで以上に幅広い表現力を駆使して見事な歌唱を披露するダーク・ケネディのVoといい、よりテクニカルに逞しさを増した楽器陣の重厚な演奏といい、バンドがそのレベルアップの痕跡を着実に刻み込んでいる一作であることも疑う余地はありません。
初期BON JOVIを思わす哀愁のメロディアスHR③、QUEEN的なコーラス・ハーモニーが印象的なバラード④、プログレ・メタル的な凝ったアレンジで聴かせる⑥、仄かに土の匂いも薫る憂いを帯びた⑧、そしてシアトリカルな曲展開でもってアルバムを劇的に締め括る7分半の大作⑪辺りは、新境地を切り開かんとするHITTMANの意欲と、持ち前の曲作りのセンスが化学反応を起こした、本作ならではの名曲と言えるんじゃないかと。
1stや3rdを気に入った方なら、スルーするのは勿体ない1枚ですよ。

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