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Paradise Lost / CIRITH UNGOL
失恋船長 ★★ (2020-05-17 13:59:47)
US産エピックメタルの始祖と目され、いまだに多くのマニアから愛されるバンドの4枚目。今作にはMETAL BLADEのブライアン・スライゲルの名前もなく、前作から5年のインターバルと苦しい台所事情も見え隠れしているが、バンドサウンドは今まで以上に洗練されたものに舵を切っており、その流れはアーサー・ブラウンの③やプロフェシーの⑥など、毛色違いのカヴァーを放り込んだが、成功とは言えず聴き手に混乱を及ぼしそうな選曲が全体像をぼやかしていると思う。
そういう間口を広げたことがマイナスに働いているのかで評価も分かれるが、MANOWARとは違うスタンスでエピカルメタルを表現したからこそ、カルトメタルの勇者と祀り崇められてた面があるだけに、個人的には残念極まりない音楽性に落ち着いたと、かなり面を食らいましたね。
ギターの音も質感の違うものとなり、全てが刷新したという印象を与えたかったのだろう。通常、バンドとしての成長というか、音楽性を進化させたのは非難に値しないはずなのに、コアなスタイルを走ったバンドであるが故の苦悩、マニア筋を裏切る形になったのが悔しかろう。しかし、前作から5年もアルバムリリースに繋がらなかったのは、あのスタイルでは売れないというのが当然の結果。今となっては、それを踏まえ奇妙な個性を抑え大衆性を纏ったことがファン離れに繋がり、一般層からも受け入れられないとは、なんとも因果なものである。
マニア度にメリハリを持たせ前作以上に聴きやすさが上がった一品。入門編としては、今作の方が正しいが、ガッツリのエピックメタルから訪問された方なら1stから行くべきでしょう。③と⑥飛ばすだけでもだいぶ印象は変わりますけどね。
→同意