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Grotesque Masked Krusher / RAGING FURY
火薬バカ一代 ★★★ (2020-04-07 01:04:18)
結成からほぼ30年。折れない心を持つ漢、中川晴夫(Vo、B)率いるパワー/スラッシュ・メタル・バンドRAGING FURYが'19年に発表した3rdアルバム。
前作『BLACK BELT』から6年のブランクが空いていますが、’82年から活動を開始してアルバム・デビューは'92年、2ndの発表が’13年と、作品リリースの間隔が毎度オリンピック級の長さを誇るバンドだけに、今回は寧ろ「思ったより早かった」と感じてしまうぐらいで。(’16年には長らく入手困難だった1stアルバムの再発もあったので尚のこと)
音楽性も、彼らの標榜するところの《HIGH POWER RAGING METAL》スタイルを更に推進。独特の言語センスが迸る歌詞を野太い濁声で勇壮に歌い上げるVoと、強面のリフを刻み男泣きのメロディを叩き込むGとが、炸裂感溢れるソリッドなリズム隊に支えられて、時に怒気を孕み、時に雄々しく、行く手を遮るモノ全てをブチ破らんと荒れ狂っています。
ドラマティックなイントロでじっくり焦らして勇猛な爆走へ転じるOPナンバー①や、Dsがリード楽器の役割を果たす激烈な②、ドスの効いたアルバム表題曲⑨とハードコアに突っ走る⑩というラストのスラッシュ・ナンバー2連発等、とてもトリオが出しているとは思えぬド迫力で押し出して来る楽曲を多数揃える一方、起伏の激しい長尺をダレることなく展開させていく④に顕著な通り、押し引きを心得た楽曲構築術からはベテランの技がギラリ。また肩ひじ突っ張らかすだけでなく、ブルース・リー・オマージュを感じさせる⑧も収録する等、本編の硬軟のバランスも良好です。
バンドが今好調な状態にあることがヒシヒシと伝わってくる、勢いに満ち溢れた快作。

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