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No Way Out / GASKIN
失恋船長 ★★★ (2020-03-31 20:11:39)
このバンド、NWOBHMの中では叙情派スタイルのバンドだった。英国的様式美系サウンドの上に乗るのは甘美でポップなメロディ、それをもやっとした霞が包み込むような音像に独自性を持たせていたのだが、アルバムを通して聴けば前作のスタイルを踏襲しつつ間口も広げレベルアップしてるのは間違いない。しかし掴みの弱さが聴き手に良い印象を与えられていないのが残念。
叙情派NWOBHM路線の③も単品で聴けば良いのに、①②の流れでは印象に残りづらい、④も煽りを食らっている。ハードなバッキングの上に乗る、このバンドらしい靄っているスウィートポップメロディも悪くないのに、全体的な軽さが足を引っ張っている。⑥以降も男前度が上がり続け、聴き進むにつれ、このバンドの方向性にブレがなかったことを確認できた。ラストに収められた表題曲のスピード感と攻撃性、そして甘めの歌唱スタイルが似合うメロディと、らしさ全開なだけに、収録順というのは重要だったと言えよう。掴みって大事ですよね。その肩透かし感のせいで、尻上がりに良くなるのについていけないファンが続出した為に、イマイチ評判が良くないのだが、1991年にはポニーキャニオンが世界初のCD化も行ってくれた貴重な一品(2015年にルビコンミュージックから再発盤が出る)。
ブリティッシュロック然とした煮え切らないメロディに悶絶したいマニアなら是非とも手に取って欲しい一品です。選曲を⑩から逆に下がって聴いていくというのもありでしょうね。
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