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Signals / RUSH
クーカイ ★★ (2001-09-23 21:43:00)
'82年発表。11作目。
全体的な方向性としては、前作『MOVING PICTURES』の延長線上に位置づけられる。ただし前作がまだ'70年代HRの余韻(の中でも極上な物)を感じさせたのに対し、本作ではシンセサイザーの大幅な導入により、より現代的な(といっても'80年代前半に特徴的なアプローチではあるのだが)作風に"進化"している。
楽曲はゲディのベースラインとシンセがメロディの主体となっている。アレックスのギターは本作ではやや地味だが、ソロパートでは実験的かつ激しいプレイが聴ける。
加えてニールのドラミングは、コンパクトかつ幾分キャッチーな楽曲における変拍子の織り込み方が芸術の域に達した。
前作が'70年代に模索・獲得した方法論の集大成であったと共に、大作主義から楽曲のコンパクト化へのシフトチェンジが完了した分岐点となる作品であるとすれば、本作は'80年代におけるキャッチーかつメタリックな方向性への、真の意味での出発点となった作品として評価できよう。

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