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Trouble or Nothin' / ROBIN BECK
火薬バカ一代 ★★★ (2018-06-17 22:38:26)
長い下積み時代を経て、コカ・コーラのCMソングに起用された“FIRST TIME”が全英シングル・チャート№1の座に輝いたのを始め、ヨーロッパ各国で大ヒットを記録。遂に表舞台への切符を手に入れたロビン・ベック(Vo)が、'89年に発表した2ndソロ・アルバム。
そんな彼女を所属レーベルも積極的に援護。プロデューサー兼曲作りのブレインとして、当時話題作を次々に手掛けていたヒット請負人デズモンド・チャイルドを招聘し、その彼の伝手で売れっ子ソングライター/敏腕スタジオ・ミュージシャン(Bは現BON JOVIのヒュー・マクドナルド)が集結した本作が、捨て曲なしのハードポップ・アルバムの名盤に仕上がることは、まぁ自明の理であったと。
何より本作のヒロインたるロビン・ベックの、アイドル系とも歌姫系とも異なる、ロック・シンガー然としたダイナミズムとパッション迸る歌声が素晴らしい。ホリー・ナイトが作曲に関わり、先んじてKISSがヒットさせた①、ボニー・タイラーも歌っていたタフで都会的なHRチューン③、デズモンドとアリス・クーパーの共作曲④、パット・ベネターのカヴァー⑥、サビメロの息苦しい程の盛り上がりっぷりがいかにもダイアン・ウォーレン節の⑦、そして爽やかな感動を運ぶヒット・バラードの再録⑩といった、分厚いハーモニーと強力なフックを有するメロディに彩られたゴージャスなハードポップ・ナンバーの数々を、全身全霊を込めて熱唱する彼女のパフォーマンスには胸打たれずにはいられませんて。
残念ながらアメリカでは期待した程のセールスを上げられなかった本作ですが、ヨーロッパではスマッシュ・ヒットを記録。勿論、こちとら断然ヨーロッパ派ですよ。

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