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Don't Prey For Me / LITTLE ANGELS
火薬バカ一代 ★★ (2018-01-15 00:39:10)
80年代後半、斜陽の季節を迎えた英国HR/HMシーンを活性化させる期待の新人バンドとして、QUIREBOYSやTHUNDERと共に注目を集めたイギリス北部スカボロー出身の5人組が、シングルやEPのリリース、国内クラブ・ツアーを経て、満を持して英POLYDOR RECORDSから'89年に発表した1stフル・アルバム。
嘗てBURRN!!誌で、2ndだったか3rdだったかが酒井編集長から「こんなのロックじゃねえ」と酷評されていたのが妙に記憶に残っているのですが、このデビュー作に関して言えば、元気一杯に声を張るVoといい、弾きまくりのGといい、要所に疾走ナンバーを散らした本編の構成といい、HR/HMアルバムの範疇で語るべき作品であることに異論は出ない筈。明るくハジけるロックンロールをサウンドの基盤に据えつつ、土の匂いが殆ど漂って来なかったり、またメロディから漂うそこはかとない哀感が、大陸産とは一味異なるブリティッシュな味わいだなぁと。あと③④を始め、随所で軽快に奏でられるエレピが楽曲にナイスなアクセントを加えてくれている点も、ピアノ好きとしては非常にポイントが高い。
流石に13曲、50分オーバーのボリュームだと影の薄い楽曲も幾つかあったりするわけですが、だとしても、踊り出さずにはいられないノリノリな①③⑨や、へヴィ・メタリックとさえ言えそうな⑦のような疾走ナンバー、あるいは熱っぽく盛り上がるバラード⑤⑩、シンガーのエモーション迸る熱唱と哀愁を湛えたメロディがドラマティックに交錯する⑤といった優れた楽曲は、そうした弱点を帳消しにして余りあるというものですよ。
「英国HR/HMシーンを背負って立つ逸材」として評判を呼んだのも納得の1枚。
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