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New War Order / Exarsis
火薬バカ一代 ★★★ (2017-12-06 22:16:14)
シンガーを交代して2作目、通算では4作目ともなるスタジオ・アルバム。(’17年発表)
そろそろ中堅バンドの仲間入りというキャリアを積み重ねながらも、バタバタと落ち着きのない、どこかB級感漂うスラッシュ・サウンドは相変わらず。と言ってもこれは貶しているわけじゃなく、寧ろ褒め言葉。演奏はキレキレですし、普通デビュー当時の初期衝動は作を重ねる毎に貫禄や整合性といった要素に上書きされていくものですが、このバンドの場合はラフい音質の下、ハイテンションで歌いまくるVo、マシンガン・リフを間断なく吐き出すG、せかせか忙しないリズム、テンポ良く炸裂する威勢の良い野郎コーラスetc.と、未だ(良い意味で)「スラッシュ小僧」感を保ち続けててくれているのだから貴重ですよ。
イントロ序曲①をブチっと強引に断ち切って②が突っ走り始める、笑っちゃうぐらい荒っぽい導入で掴みはOK。その後も猛然とラッシュを仕掛けて来る③、これまたインスト小曲⑤が前置きに用意された⑥の激烈メドレーが続き、締めは7分越えの大作ながら、メロディックに駆け巡るツインGをフィーチュアして一気呵成に畳み掛ける⑨。そしてバンドのルーツを詳らかにするSLAYERとRAZORの好カヴァー⑩⑪がボーナス・トラックとしてオマケ収録されているという、全編に亘ってひたすら前のめりな姿勢が貫かれた1枚。
各曲にフックを構築する2本のGの活躍ぶりや、「一発キメたロブ・ハルフォード」てな風情のハイピッチ・シンガーがメロディを追えることもあって、ふとFORBIDDENの1stアルバムのことが頭を過りました。あちらよりも大分荒々しい感じですが。
今後もその意気で走り続けてくれることを切に期待致します。
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