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One of a Kind / Tone Norum
火薬バカ一代 ★★ (2017-09-05 00:25:01)
ジョン・ノーラムの妹御、トーン・ノーラム(Vo)が’86年に発表し、スウェーデンのアルバム・チャートでは最高第5位に食い込むヒットとなったデビュー作。
その関係でか、兄ジョンが7曲でGソロを客演。また元カレだったとも聞くジョーイ・テンペストが、プロデュースと作曲及びコーラス役でバックアップ。更にはイアン・ホーグランド&ミック・ミカエリがサポート・メンバーとしてレコーディングに参加(ミックは楽曲提供も)する等、要は当時人気絶頂だったEUROPEが彼女のデビューに花を添えるべく全面協力しているわけで、そりゃあこれなら売れないわけがない。
BURRN!!誌レビューじゃ酒井前編集長に「兄の七光りアルバム」と酷評され20点台を付けられていて、個人的にも初めて聴いた時の感想は「あまりにソフト過ぎる」「毒にも薬にもならないハードポップ作品」と、芳しいものではありませんでしたが、その後再発を契機に改めて聴き直してみたら、いや普通に良い出来栄えじゃんか、と。毒にも薬にもならないのなら、甘くて美味しいスイーツとして楽しめばいいだけのこと。
特にアルバムに先駆けてリリースされ、本国のシングル・チャート最高第2位にランクインした大ヒット・バラード⑩や、しなやかなシンセを纏って明るく弾む④(最高第13位)を始め、北欧らしい透明感、洗練されたアレンジとキャッチーなメロディ、それにひたむきさが迸るようなトーン嬢のキュートな歌声に彩られたサウンドは、ビッグ・セールスを記録したのも納得の質の高さ。『THE FINAL COUNTDOWN』を思いっきりポップ方向へ振り切ったような音…と聞いて食指が動く方になら、自信を持ってお薦めできる1枚かと。

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