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Métamorphose / SORTILEGE
火薬バカ一代 ★★★ (2017-04-01 09:31:37)
時は80年代。雑誌等では「フランス語はメタルに合わない」と叩かれる一方、マニア筋からは優れたバンドを数多く輩出する有望なHM鉱脈として信頼を勝ち得ていたフレンチ・メタル・シーン。その中でも1、2を争う人気者だったSORTILEGEが’84年に発表した1stフル・アルバム。ついでにジャケットに描かれた謎のモンスターが浮かべる、こっちを小馬鹿にしたような顔つきに絶品にイラっとさせられる1枚であります。
これまで本作については日本盤も出た英語バージョンにしか触れる機会がなく、先日のリマスター再発を期に漸く原語バージョンを聴くことが出来て、ああ、うん。フランス語版の方が断然良いよ!と。元々シンガーは熱々のシャウトから朗々とした歌い上げまで余裕でこなす実力派でしたけど、聴き比べると、微妙に「置きに行ってる」感無きにしも非ずな英語版に対し、母国語の方は遠慮会釈なしに歌唱がダイナミック。何より、疾走感もドラマ性も切れ味も十分な、JUDAS PRIESTやNWOBHMを通過した正統派HMに、語感の柔らかなフランス語が乗ることで、サウンドに一種の優雅さや気高さがトッピング。有象無象のバンドとの大きな差別化に成功しています。特に、メタル・ハートにビンビンに響くビブラートを伴うハイトーンVoと、時にそのVo以上に雄弁に歌ってみせるツインGを存分にフィーチュアした、勇ましくもキャッチーな②と、ドラマティック極まりないアルバム表題曲⑨は、言語に対する偏見を捨てて是非1度お聴き頂きたい名曲です。
次作を聴いた時も思ったのですが、曲作りの方向性からメロディの拾い方まで、不思議と同時代のジャパニーズ・メタルに通じる魅力を放っている1枚ではないかと。
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