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Warning of Danger / OMEN
火薬バカ一代 ★★★ (2017-02-04 09:49:42)
OMENのトレードマークとも言える「コブラ」がジャケットに初登場している、’85年発表の2ndアルバム。コブラがちょこんと鎮座してるだけのイラストは構図的に少々寂しく、バンドが期待した程の効果は上がってない気がしますけど。
でも内容に関しちゃ、発表当時BURRN!!誌レビューで高得点を獲得したことが裏付ける通り、OMENの一足飛びな成長具合を実感させてくれるクオリティ。Bのゴツゴツとした主張っぷりに、欧州風味のダークな湿り気をたっぷり含んだGのフレージングと、相変わらずIRON MAIDENからの影響が全編に亘り濃厚に息衝いています。その一方でストレートな力押しに終始した前作に比べると、今回はプロダクションの(それなりの)向上といい、メリハリの効いたアレンジや曲展開の備わったバラエティ豊かな収録楽曲といい、バンドがNWOBHM影響下のマイナー・メタル枠から脱しつつあることを伝えてくれる仕上がり。
懐の深さ(奥行き)を感じさせてくれるようになったエピック・メタル・チューン①に始まり、パワフルに鳴らされる②、抒情的な前半からハードに盛り上がっていく④、スリリングなインスト・ナンバー⑤、歌詞の題材(『ターミネーター』)に相応しく、近未来的雰囲気漂わす序曲⑥を経て疾走する攻撃的な⑦、そして本編を重々しく締め括る⑩等、一層の力強さを獲得したJ.D.キンボールの歌唱と、重厚感をグンと増した楽器陣のパフォーマンスが映える楽曲の数々は、次作『殺戮の祈祷』(’87年)にて結実することとなる「OMEN流パワー・メタル・サウンド」の完成形に向かって大きく前進。
デビュー作にピンと来なかった人も、これならきっと楽しめるのではないでしょうか。
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