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Cherry Pie / WARRANT
火薬バカ一代 ★★★ (2016-12-12 23:22:14)
ぼちぼちHR/HMシーンの王座がグランジ/オルタナティヴ・ロック勢に取って代わられようとしていた時代の節目において尚、全米アルバム・チャート最高第7位、トータル200万枚を売り上げる大成功を収めた、WARRANT、’90年発表の2ndアルバム。
ブロンドヘアーをたなびかせたグッド・ルッキングなメンバー達が奏でる、明るくキャッチーなポップ・メタル・サウンド。おまけに邦題は『いけないチェリー・パイ』…。もうこれだけで硬派なメタル・ウォリアー(自称)だった身からすれば「けっ」ってなもんですよ。
ところが、ラジオで耳にしたヒット・バラード“I SAW RED”(全米最高第10位)が相当にグッとくる名曲だったこともあり、思わず発作的に本作を購入してみたらば、これが大当たりだったという。いや、まかり間違ってもスラッシーだったり様式美HMを演っていたりはしないですし、1曲目から底抜けに明るいアリーナ・ロックがブチかまされるのですが、そうしたある種「能天気」とすら受け取られかねない楽曲の中にも、躍動感溢れる演奏と、メロディやコーラスにきっちりとフックを仕込んで聴き手を惹き込む曲作りの巧さに脱帽。④⑧⑩辺りは、“I SAW~”と並んで今でも折に触れて聴き返す秀曲ですし、BLACKFOOTの代表曲“TRAIN, TRAIN”を違和感なくカヴァーしてみせる実力にも唸らされましたね。
当時は本作を楽しめてしまったことに対して「負けた…!」とか勝手に敗北感を感じたりもしたものですが(アホですね)、今じゃ「イェー、WARRANT最高!」「シーズ・マイ・チェリーパイ♪」とノリノリで大口開けて歌っているぐらい大好きな1枚。

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