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瘋痴狂 / 人間椅子
失恋船長 ★★ (2016-11-02 15:21:11)
ナカジマノブ参加の影響が色濃く出てきた意欲作。音楽性の幅を広げつつもルーツたる70年代型のHM/HRサウンドで纏める辺りは流石です。初期の頃のドゥーム色は大幅に減退、血なまぐさい陰惨な要素も無く、わりとストレートな曲調も増えバンドとしての印象はかなり変わりました。メンバーチェンジがもたらした要因なんでしょうが、個人的にはそこが一番モノ足りず、今作を最後にアルバム購入が『無頼豊饒』まで無くなる事となりました。
和のテイストもあるのですが、リフワークや楽曲の骨子が完全の洋のモノなので、その辺りの組み合わせと表現の仕方によって感じ方が大きく変わるでしょうね。アルバムタイトルも『瘋痴狂』HOO CHIE KOOだからなぁと妙に納得させる辺りは流石ですね。
ドゥーム色を捨てストレートな手法を持ち入ろうが鈴木のベースは下品に鳴り響いているし、和嶋も曲に合わせ拘りのギターフレーズと音色を操りマニアのハートを掴むだろう。ナカジマノブのストレートなパワードラムが音楽性に反映されているのは明確ですが、3曲もリードボーカルを務める位バンドの重要なピースとなっているのでしょう。
ドゥーム色は廃しましたが70年代型ロックの持つヴァイブが息づく人間椅子の魅力を端的に表しているのが聴きどころでしょう。

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