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The Greatest Victory / KATANA
火薬バカ一代 ★★★ (2016-10-29 08:53:17)
スウェーデンのKATANAも本作(’15年発表)で三作目に到達。ぼちぼちコンセプトを重荷に感じ始める頃合いでは?と思いきや、2曲目から早くも曲名が“YAKUZA”で「あ、全然そんなことなさそう」と。更にその後に続くのが“SHOGUN”。歌詞も「SHOGUN-COME BACK!」とか「SHOGUN-TAKE CHARGE!」とか、松平健もビックリの暴れん坊ぶり。アートワークにはメンチ切ってる髑髏武者がフィーチュアされており、ますます意気盛んなことが確認できて先ずは一安心ですよ。
歌詞のテーマに日本ネタを取り入れても、メロディ等には和風趣味を取り入れず、飽くまでIRON MAIDEN由来の正統派HMサウンドに拘った作風は前二作同様。サビメロの展開が独産メタル調の①から明らかなように、コール&レスポンスが捗りそうなパワー・メタル風味が一層増量傾向にあって、それはそれでカッコイイですし、違法ダウンロードの横行でアルバムの売上がさほど見込めず、ライブ向きの楽曲を揃えてツアーに活路を見出す新人にとっちゃ当然の戦略として理解できるのですが、ただ初期作で彼らの存在を際立たせていた、ポップなメロディ・センスを活かす場が減る一方なのは、少々勿体ない気がしなくないという。
それでも、メイデン愛が溢れ出す⑤等、勇壮な楽曲がタイトに繰り出される本編を聴くにつけ、抜きん出た作曲センスの高さには唸らされます。特に小曲⑧を経てラストをドラマティックに盛り上げる⑨はアルバムのハイライト。ジョーイ・テンペスト似(声質が)のシンガーが実に堂々たる熱唱を響かせてくれていて、デビュー当時の青臭さが嘘のようですね。
デビュー作以来、国内盤リリースがないことが残念でなりませんて。
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