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Nothing Exceeds Like Excess / RAVEN
火薬バカ一代 ★★ (2016-09-06 22:25:19)
えー。アルバム名は、『ナッシング・エ、エクシーズ・ライク・イクセセ…』って、言いにくいわ!早口言葉か!という、長くて覚え辛いタイトルを冠した’88年発表の7th。
しかしながら、未だうろ覚えの表題に反して、内容の方は極めて分かり易くRAVENサウンドの旨み成分が凝縮されています。メジャーからのドロップに、バンドの重要な推進力だったロブ“ワッコ”ハンターの脱退等、紆余曲折を経てのリリースと相成った作品でしたが、そうした諸問題を前にして、逆にギャラガー兄弟が発奮。そのサウンドは、キレキレで繰り出されるGリフ、疾走感に溢れたリズム、そしてヒステリックなVoとが呼応し合ってシンプル&ストレートに叩き付けられるアスレチック・ロック路線へと、ATLANTIC時代の試行錯誤を綺麗サッパリ吹っ切って原点回帰を果たしています。
『アラーのために死ね』というタイトルからしてヤバイ②、アッパーに畳み込む⑦、ライブ映えしそうな⑪等を筆頭に、全編を騒々しい疾走曲で固めたスラッシュ・メタル顔負けの前のめりな姿勢を晒しつつも、演奏しているメンバーの満面の笑み(しかめっ面ではなく)が思い浮かぶような陽性のノリの良さも「RAVENらしさ」を後押し。さりとて、それが能天気という意味でないことは、緩急と緊張感を効かせた名曲④の重厚な佇まいが物語る通り。
初期作にも匹敵するエネルギーが渦巻くサウンドは、浮かれトンチキだった’88年当時よりも、今の方が正当な評価を得られるのではないでしょうか。但し、無駄に曲数が多い本編構成と、迫力不足の音作りは改善の余地が大いに有りですが。

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