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Vinnie Vincent Invasion / VINNIE VINCENT INVASION
失恋船長 ★★★ (2016-08-05 15:40:21)
KISSを解雇された男ヴィニー・ヴィンセントが率いるバンドによる1st。KISSでは出来なかった彼のギターを前面に押し出し、またギターヒーロー戦国時代に殴り込みを掛けるが如く、ヴィニーはこれでもかと攻撃的なギターを大導入、所謂、インギーなどのシュラプネル系に見られるスケールを中心とした速弾きとはチョイと違う趣のギタープレイを披露、そのインプロ然としたギターは少々強引でやりすぎな面も見られるが楽曲の中にキチンと収まった時のカッコよさとセンスは流石の腕前、並みいる強豪の中からKISSの2代目ギタリストとして選出されただけはあるんだなぁという経歴に偽りなしのギタープレイを魅せてくれました。アメリカンでライトな作風に暴れ馬なヴィニーのギター、この派手な仕掛けの多い楽曲はまさにアメリカンロックの醍醐味、豪快さの中に繊細な感性を塗し大味に仕立て過ぎない作風は見事でしょう。でも過剰な弾きすぎは少々バカッぽくもあり、バランス感覚に劣るのが個人的にはチョイと残念。ジャーニーのボーカルとして、またアルバム『Infinity』には曲作りの参加もしている経歴の持ち主ロバート・フライシュマンの安定感抜群の歌声が見事にハマり、無理無理なハイトーンではない伸びやかな歌唱はマイルドな声質もあり、ポップロックやバラードを歌ってもさぞやエエ仕事をするんだろうなぁというのが見えて生きてバンドの将来性の豊かさに目も眩みましたね。ちなみに脇を支えるリズム隊はベースがスローターのダナ・ストラム、ドラムがブルース・キューリックのお兄さんボブ・キューリック率いるスカルやナイトロなどで叩いていたボビー・ロックがサポートしています。次作では今作の反省を踏まえギターを抑えバランスと取りにいき成功を収めるも、歌い手がマーク・スローターのハイトーンになった事が違った意味でのやりすぎ感を倍増させており、今作で歌うロバート・フライシュマンが居たらなぁと今作を聴くたびに思い返しますね。
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