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Morbid Reality / HEXX
火薬バカ一代 ★★ (2016-07-15 23:54:17)
’91年発表の3rdアルバム。既に朧げな記憶を辿ると、確かBURRN!!誌の輸入盤レビューで意外にも酒井編集長が好意的なレビューを寄せていて、この手の音は絶対酷評しそうな人なのに珍しいこともあるもんだと興味をそそられ購入した…んだっけかなぁ?
ハイトーン・シンガー、テクニカルなギター、パワー・メタリックな楽曲etc…と、もろSHRAPNELメタル路線を志向していた前2作のフル・アルバムから一転、レコード会社からのサポートのなさ、一向に軌道に乗らないバンド活動に対するフラストレーションを大爆発させた本作は、「だったらもう好き勝手やってやらぁ!」とファスト&ブルータルな方向に全力スイング。その結果、デス声に片足突っ込んだVo(またしてもシンガーに逃げられたので開き直ってギターのクリント・バウワーが兼任)、猛烈なシュレッド・リフ、ヤケクソ気味に荒れ狂うリズムとが雪崩を打って押し寄せるサウンドは、知らずに聴いたら同一バンドとは気が付かないんじゃないか?っつーぐらい音楽性が激変しとります。中期DEATH(あっこまでの病的な狂性は感じられませんが)、SADUSなんかがお気に入りのスラッシャーにお薦めする1枚。…という説明で、どんな音なのか伝わるでしょうか。
勿論、アップダウンの激しい曲展開、鮮烈且つメロディックなツインG等、HEXXのトレードマークも健在。中でも意表を突いてピアノ・イントロから始まるOPナンバー①は「らしさ」の詰まった逸品ですし、アニメ『スパイダーマン』の名テーマ曲⑧をカヴァーする遊び心も、怒気に満ちた本編の良いアクセントとして機能しているのではないかと。
「これが最後」と定めて、演りたいことを演りたいように演り倒したのが奏功した力作。

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