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Le gang des saigneurs / ATTENTAT ROCK
火薬バカ一代 ★★★ (2016-03-16 22:51:50)
80年代のフレンチ・メタル・シーンは、バンドの粒が非常に揃っていたことでマニアから高く評価されていますが、アヴィニョン出身の4人組、ATTENTAT ROCKが'84年に発表したこの2ndアルバムも、そうした中に加えられて然るべき1枚。
ジャケット・デザインや音作りは多少チープですけど、IRON MAIDEN、JUDAS PRIESTからの影響を糧に、荒っぽいシャウトを滾らせるVo、熱くドライヴしまくる2本のG、骨の太いソリッドなリズムとが、「セコセコした小細工なんざいらねぇ!」とばかりに正面突破を図る、タイト&ガッツィーなHMサウンドは火傷しそうなぐらいに熱い仕上がりで最高です。
“ヨーロッパ横断特急”の名に相応しいキレと疾走感に満ちた③や、ツインGが劇的にハモるイントロだけでその名曲ぶりを確信させられるアッパーな④といった、プリミティブな正統派HMの魅力を凝縮したかのような収録曲(ランニング・タイムがいずれも3分台なのも潔し)を耳にしたら、多少アレなジャケットだって「やだ、飾り気のなさが男らしくて素敵!」、チープなプロダクションに対しても「お陰で生々しい迫力が出てまっせ!」とポジティブなジャッジを下したくなるというものですよ。多分。
語感がどうの、国民性がこうの、といったフランス産メタルに対する偏見を一蹴してくれる強力作。

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