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ANGEL'S TEARS / GOLDEN FARM
火薬バカ一代 ★★★ (2015-09-09 23:17:49)
スペイン産メロディアスHRバンドというと、古くはHIROSHIMA、近年だと91 SUITEやNEXX等の名前が思い浮かびますが、このGOLDEN FARMが'03年に発表した1stアルバムも、それらのバンドに引けをとらない出来栄え。
同国大手のAVISPA RECORDSのプッシュを受けてるだけあって、ドメスティックなイモ臭さを殆ど感じさせないメロハー・サウンドは、シンガーの伸びやかな歌唱力から、ネオクラシカルな美旋律も紡いでみせるGを始めとする楽器陣の演奏力まで、デビュー作にしてに早くも世界水準に達しています。
ピアノによるイントロ転じて軽やかに幕開けを飾る、ハードポップのお手本のようなOPナンバー①を挨拶代わりに、エッジを効かせて爽快に疾走する③があったかと思えば、重厚なアレンジの施されたヘヴィな⑧や、中期イングヴェイを思わす冷ややかな⑩があったりと、本編の流れが単調にならぬよう、幅を持たせた曲作りのセンスがキラリ。尚且つスペイン人の血の為せる業か、時折猛烈な哀愁を放つキャッチーなメロディがアルバムに一本の筋を通してくれているので(ついコブシが回ってしまう⑦とか)、散漫な印象もありません。
ボーナストラック⑫まで秀曲なのですから実に立派。時折「2ndはまだですかいの」とか思いながらCD棚から引っ張り出しては聴き直していた作品なのですが、ある日購入した書籍に「中心メンバーだったギタリスト氏が事故死して'07年にバンドは消滅」と書かれていて、地味にショックでした。

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