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Kénôse / DEATHSPELL OMEGA
netal ★★★ (2014-12-14 21:27:12)
混沌を表現しているどころか、混沌をそのまま音にしてスピーカーから新たな混沌を生み出し、一方で人間の理性や感情を御しにかかるような自由自在のリフ捌き、
それが本当に驚異的としか言いようがない凄まじさである。
ブラストを軸にしたブルータリティと複雑怪奇なリズムワークのドラムと絡み合い、
トレモロや神秘的なクリーンギター・アルペジオ等々を緻密に組み合わせた神がかったフレーズワークを魅せてくれる。
①6:46からの金物を絡めた極限までに背徳的なリフワークを始め、筆舌に尽くしがたいものがある。
EPではあるが、3曲36分(Yesの『Close To The Edge』より僅かに短いだけ)という実質的にはフルレングスといってよい大作である。
しかしながら、テンポやトーンの落差の付け方あるいはリフの変動など、36分をコントロールしきるテクニック&アイディアも実に優れていて、全くだれることはない。
歌詞については、前作以上に抽象的かつ難解だが、3rd~5thの付記という事で、それに関連したような言及がなされている(と思われる)。
神の教義と人間の理性の関連(3rd)とか、神がもたらす災いや人間の行動原理に与える影響(5th)等が一例。
…相変わらず、歌詞を全部訳してみたはいいが、全ては理解できていない筈ですけどね。
兎に角、今年買ったアルバムの中で最高の作品で、更には今迄聴いた全てのアルバムの中でも5本の指に入るレヴェル。
メタル史上でも最高傑作に近い作品であり、EPに関して言えばメタル史上最高の作品であろうかと思う。
気に入り度…99/100
おすすめ…Ⅰ
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