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To the Gory End / CANCER
火薬バカ一代 ★★★ (2014-12-03 22:43:24)
イギリス出身のデス・メタル・トリオがプロデューサーにスコット・バーンズを招いてレコーディング、'90年に発表した1stアルバム。最終ミックスはフロリダのMORI SOUNDスタジオで行われており、そこで縁を結んだOBITUARYのジョン・ターディもゲストVoとして参戦しています。
轢死体の咆哮のような押し潰れたVoのグロウルや、粘性の高い耳障りな音色で刻まれるGリフ等が、禍々しくゴアリーなデス・メタル感を醸し出す一方で、軽快且つ俊敏に炸裂するリズム・ワークはスラッシュ・メタル調。なので、デス・メタルそのものを期待すると「あら?」となるかもしれませんが、個人的にはこのスラッシュがデス・メタルへと凶悪化していく過渡期的スタイルこそがツボ。(DEATHやDEICIDEも通った道でした)
BURRN!!誌レビューでは「(作った人は)死んで欲しい」となじられた上で堂々の4点を獲得。ジャケットに描かれたお兄さん――元ネタは『ゾンビ』か――も「マジで?!」ってな表情を浮かべている本作ですが、ゲテモノだと思って舐めてかかると、殺伐とした曲調に反して意外にキャッチーな②や、Keyを配して邪悪且つ荘厳な雰囲気を演出するラス曲⑨等にカウンター・パンチを食らわせられることに。特に大仰なイントロが爆発的疾走へと転じる地獄の一丁目ライクなスピード・ナンバー⑥は、CANCER屈指の名曲ですよ。
個人的にCANCERの最高傑作と言えば真っ先に本作を挙げさせて頂きます。

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