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Exécution / ADX
火薬バカ一代 ★★★ (2014-08-07 00:12:02)
80年代、フランスのHR/HMシーンにおいて確固たる地位を築き、アルバムも複数枚リリースしているADXですが、自分が所有している彼らのアルバムは'84年発表のこのデビュー作のみ。
なので後のカタログと音楽性を比較して語ることは出来ないのですが、取り敢えずここで聴かれるのは、「フランス人ミュージシャン=少女漫画の登場人物みたいな優男」とのイメージを木っ端ミジンコにする、漫画ゴラクの登場人物みたいなメンバーによる、滅法男臭ぇハイボルテージなスピード/スラッシュ・メタル・サウンド。
JUDAS PRIEST、初期IRON MAIDEN、初期DIO等からの影響を糧にハジけるように駆け巡り、スピード・メタル然とした魅力を振りまくGリフ作りの腕前には特にシビれるものがあって、「掴み」としてのインパクト十分なOPナンバー①と、ローマ帝国が誇る暴君カリギュラについて歌った(推測)ラスト・ナンバー⑧という、機動力に富む疾走ナンバーのカッコ良さは出色。力押しだけでなく、欧州メタルらしい構築美を織り込んだインスト曲④やドラマティックな⑥みたいな楽曲も良い。
アルバムを発表する度に、ここ日本では「フランス語はメタルに合わない」と低評価に泣かされ続けた彼らですが(日本語ロック論争を思い出しますね)、少なくともVoについては、多少語感が柔らかいか?と感じるぐらいで、個人的には違和感はナッシング(すっぽ抜けるハイトーンは好き嫌いが分かれるやもしれんけど)。「フランス語はリズムに乗り難い」なんて批判もありましたが、スピード/スラッシュ・メタルがリズム無視で歌詞を強引にねじ込むのなんて日常茶飯事ですからね。
機会があれば、2nd以降の作品もチェックしたいという気分にさせられる1枚です。

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