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Divide and Conquer / SUICIDAL ANGELS
火薬バカ一代 ★★★ (2014-02-25 22:45:56)
トップ・ランナーとしてギリシャのスラッシュ・シーンを牽引するSUICIDAL ANGELSが、ギタリストの片割れをパノス・スパノスから元EXARSISのクリス・Tにチェンジして'14年に発表した5thアルバム。
これまで一貫してSLAYERやKREATORの流れを汲む激発型スラッシュ・サウンドを追及してきた彼らですが、5枚目にして変化球を投げ込んで来ました。
密度の濃いモダンな音作りの下、従来作に比べてアグレッションの「発散」と「溜め」がかなり意識的にコントロールされている本作は、軟弱にならない程度に増量されたメロディとの組み合わせで、カミソリの如き切れ味の鋭さ以上に、重厚にしてキャッチーな打撃力が印象に残る作風に。
さり気なくヴァイオリンまで使用されている④⑩は、バンドの試行錯誤の結晶というべき大作ナンバー(前者は6分、後者は8分)で、中でもスラッシーな攻撃力とダイナミックな曲展開、メロディックなGソロが無駄のない融合をみた④は、思わず力瘤らずにはいられない名曲。
当然、彼らのスラッシュ・メタル・バンドとしての基本軸にぶれがないことは、①③⑦⑨といった景気良く突っ走る高速ナンバーの数々を聴けば自明の理ですが、今回は即効性よりも、繰り返し聴き込むことを重要視した作品に仕上げてきた印象ですね。

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