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Horizons funestes / AUTARCIE
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-01-06 00:04:48)
2011年発表の2nd。

関連バンドのDYSTERもなかなか良質なブラックを演ってましたが、こちらも負けず劣らず良いですね。明度や暗度を下げつつも、「腐食」の属性を孕み聴き手の精神を冒していくような病的さと、フレンチブラックらしい捻くれた耽美さを同居させたトレモロリフは、良質の鬱ブラックといった趣ですが、単純にディプレッシブ系にカテゴライズ出来ないような奇妙な感覚もまた強い作風ですね。

リズム、及びドラミングが、間違いなくその「奇妙さ」を生む一因になっている感じがします。鬱系としては疾走パートやノリのいいパートが多めなんですが、テンポの速さそれ自体よりも叩き方、フレーズから伝わってくるヤケクソさが最大の特徴。暴虐というより「喧しい」感じで、苛立ちを込めてドラムをシバキ倒しているような、非常に味のあるリズム。これがメロディの持つ毒と変な化学反応を起こしていて、他のバンドでは見られない独特の雰囲気に。

イガラっぽさ全開ながらドスの効いた声でがなり続けるヴォーカルなんかも、そのヤケッぱちで毒々しい雰囲気を助長しているように思います。時に闇の帳が緩やかに降りてくるような、優雅で絶望的なムードを演出してみせたり、時にメロディの奇矯さを強調し、PESTE NOIREにも通じる前衛的な耽美芸術的雰囲気を醸し出したりする楽曲それ自体も、なかなかに魅力的。

メロディに込められたネガティビティから、鬱系好きにもお勧め出来そうですが、それ以上にPESTE NOIREやSALE FRUEX辺りの捻くれてビョーキな耽美系フレンチブラック好きにお勧め。個人的にはかなり好きなタイプの音です。

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