この曲を聴け! 

Gators Rumble, Chaos Unfurls / GLORIOR BELLI
Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-01-01 22:37:28)
2013年発表の5th。

前々作、「Meet us at the Southern Sign」を聴いた時は、DEATHSPELL OMEGAの「Si~」的なブラックメタル特有の宗教的な邪悪さを、サザンメタルの要素がより生々しく強調して感じさせるような作風で、個性と邪悪さを両立させている事にかなり感心したんですが…今作は、個性を強める余りブラック本来の邪悪さからは若干離れ気味な印象を受けます。

今までの作品と比べるとサザンメタル要素があからさまにフィーチャーされており、左右のチャンネルで有機的に絡む、ノイジーなギターリフを、単に攻撃的で暴虐なだけではない、グルーヴ感のあるドラミングに乗せたアンサンブルは、高いミュージシャンシップを感じさせつつも、ドラッギーでサイケな感触もかなり強め。プリブラなどに見られる催眠的感覚を、別の手段で上手く演出する事に成功しているように思います。

ただ、邪悪じゃないんですよね…。トレモロもブラストもあって、ヴォーカルも擦れ方が実にエグいがなりなんですが、今作はサイケさは感じても密教的な禍々しさは余り感じられない…。個性的な音だし、質も高いのは分かりますが正直昔の作風の方が好み。まあ、私はサザンメタルにありがちなブルースを通過したようなヴォーカルが嫌いなので、それに悩まされず土臭くドラッギーなアンサンブルを楽しめるのは、まあ良くはありますが。

個人的な評価は微妙ですが、気に入る人はかなり気に入る音だと思う。ヴォーカルも素晴らしいですし。まず試聴してみて、ビビッと来たら購入してみては。

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