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Morok / AGRUSS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-06-01 17:49:24)
2012年発表の1st。

端的に言ってしまえば、アトモスフェリック・ブラック的な包み込むようなどす黒さを感じさせるディストーションと、刻みやメロディアスなフレーズ等を仕込んだ、メタリックなかっこよさも感じさせるリフを組み合わせた、暗黒度の非常に高いメロディック・ブラック…とでも言えそうな路線なんですが、そんな単純な説明では言い表せない程のカオスを感じさせてくれる、かなりの邪悪盤。

まずヴォーカルの表現力、これが何気に素晴らしい。地を這うような低音グロウルから、喉が張り裂けるような絶叫までを使いこなし、狂性たっぷりに聴き手を圧倒していくようなパフォーマンスも然る事ながら、そのスタイルと、作品の邪悪で重苦しい靄に包まれるような、黒い音質がこの上なくマッチして非常に混沌とした雰囲気に。楽曲の方も、例えばカオティックなメロディとうねるベースを絡ませるパートを設けてみたり、この手の定型をある程度守りつつ、テンプレに嵌まり過ぎない豊かな展開があって、それがまたカルトさを感じさせるんですよね。

これは新興のバンドでもかなり良い線行ってる作品なのではないでしょうか。メロディックブラックのドラマ性と、暗黒アトモスフェリックブラックの禁忌に触れたような邪悪さ、その二つを見事に融合させる事に成功した、かなりの良盤ですよ。

→同意