この曲を聴け!
MENTHELL / IBLIS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-02-04 22:51:42)
2012年発表の1st。
VIRUSやEPHEL DUATH好きな人にお勧めという紹介で興味を持ち、試聴したら一発で気に入ってしまい購入を決意した一枚。本人は自分たちの音楽性を「ニュークリア・ロックンロール」と称しているようですが、前述のバンドの奇怪さにロックのグルーヴを加えたようなグロテスクなアンサンブルで聴き手の脳を揺さぶりつつ、ここぞという所でブラストを爆裂させる、かなりラジカルな作風。
基本的にはプログレメタルやアヴァンギャルドメタルの要素が強いですが、時折入れるトレモロ+ブラスト等、ブラックメタル的な部分もしっかり残してくれているのが嬉しい所。何気にベースがゴリッとした質感の、重みのある音だったりするんですが、それが非常に隠微で妖しい雰囲気を出してるんですよね。変態が地下室でえもいわれぬ行為を行っているのを覗いているような、背徳感というか気持ち悪さというか。
ヴォーカルは演説調やがなり声、妖しげなクリーンなどを使う、この手にありがちな歌い方と思いきや…時々グロキモく発狂するのが素晴らしい(笑)。心霊系の番組で悪霊に取り憑かれた人がこんな感じの声を出してた気がする。もしくは催眠術で赤ちゃん帰りしたとか、宇宙を飛び交う毒電波に脳をやられたとか、そんな感じ。なのにホイッスル系の絶叫はガチでかっこよかったりするので始末が悪いです。
アヴァンギャルドメタルって、一般的な音楽の裏をかこうとしすぎたり、知性的になりすぎたりでスノビズムに陥ってしまうこともありますが…これは逆に聴いていると頭がどんどん悪くなりそうで素敵(笑)。脳みそ溶けていきそうだもん、これ(笑)。前衛性と知性があるのに、ここまで高尚さを欠いてるのは逆に凄い。アヴァンギャルド系でも、DIABLO SWING ORCHESTRAやUNEXPECT辺りは普遍的なかっこよさがありすぎる、もっと気色悪い音楽が聴きたいという方にお勧めです。
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