この曲を聴け! 

The Chemical Wedding / BRUCE DICKINSON
はっちゃん ★★★ (2012-07-24 20:49:52)
テーマ、その世界観、楽曲、演奏…作品としてパーフェクト。

錬金術というのはアーティストにとって非常に魅力的な題材らしく、古くはTHIRD EAR BANDや、
BÖCなんかが取り上げてました。ブルースもこの作品を作るにあたって相当勉強したらしいです。
このストイックな姿勢がパイロットの資格をも取得させてしまうんでしょうね。

まずサウンドのへヴィなことにビックリ。純度の極めて高い鉄球を背負わされているような重さが
コンセプトに非常にマッチしているのですが、ブルースの声がダウン・チューニングにも意外なほど
相性の良さを披露していることが確認できます。
そして、アルバム全体を覆う黒い霧のようなダークネス。これは錬金術の持つ怪しさ、胡散臭さを
表現するにはダークにならざるを得ないという事の証明でもあります。
神秘的ではありますが、白の神秘ではなく黒の神秘。なにしろ「人間と神との融合」というまさに
神をも恐れぬ所業が錬金術の目指す究極ですからね。

ロイ・Z、エディ・カシラス、デヴィッド・イングラムのTribe of Gypsies組は素晴らしい仕事を
してますね。彼らの参加のおかげでメイデンっぽさはそれはどありません。エイドリアン・スミスが
唯一それっぽいプレイをしていますが、それはエイドリアンの個性であって、メイデンの個性では
ありません。このメンツでソロ活動を継続してほしかったけど、予想通り元サヤに納まっちゃう。
残念というか複雑な気持ちでしたね。当時は。

余談ですが、錬金術というのはアンチ・クライスト的な側面もあったらしく「ロックだな」って
思いました。

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