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Opus Diaboli (2cd+dvd) / WATAIN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-05-20 20:18:23)
2012年発表のライブCD2枚+ドキュメントDVDの計3枚組。
「DVD」
海岸を歩く魔術師(?)や、這い回る蛇などを用いた、メンバーの感性による映像美を表現したようなイメージ映像パートと、Erikのインタビュー、そしてライブ映像が交互に出てくる構成。インタビューは要所で映像と共にエフェクトもかかり、ちょっとホラー映画を意識したような感じですね。内容は自分達のメタルバンドとしての立ち位置や、音楽への考えを述べてたりして興味深いですが、何分英語なので…(笑)。あのアートワークでよく見る三叉槍に逆さ十次を組み合わせたマークに、深い意味がある事には驚きました。
そしてライブは文句なくかっこいいですね。
凶悪なエピソードから想像するような、衝動だけに任せたような感じは全くなく、しっかりメタルバンドとして貫禄のある、威風漂うパフォーマンスをしてますね。フロントマンのErik氏の存在感も抜群で、時折悪魔の楽団を指揮するように両手を掲げたり、手を合わせて客席を睥睨したり、一つ一つの所作がいちいちかっこいい。パイロを使用した、凝ったセットとも相俟って、普通のメタルバンドではありえない儀式的な空間が形成されてると思う。勿論、エクストリームメタルとして優れたステージを見せてくれてるのは前提で、「その上で」です。
「CD」
こちらは純粋なライブ盤。
音質は流石にスタジオ盤よりは粗いですが、各楽器の音はしっかり聴き取れ、ブラックのライブ盤としてはかなり良い方だと思う。これを聴くと、如何に彼らがライブ映えする曲を作ってるかが分かりますね…。「Reaping Death」は聴いてるだけで体が動くし、「Stellarvore」は拳を上げたくなるし、「Waters of Ain」のギターメロはうっとりするくらい美しい。スタジオ盤よりストレートに怒りをぶつけるようなErikの声もかっこいい。プロフェッショナルなライブという感じなんですが、一方でステージに上がったら殺されそうな、ステージを自分達の聖域にしているような殺気めいた気迫も伝わってきます。
3枚組の作品という事で、多少値段は張りますがWATAINのアルバムを持っている方なら買って損はない作品。まあ正直言うと、DVDの構成はライブかインタビュー、どっちかに集中できないのでちょっと微妙だったりはするんですが…それでもお勧めです。
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