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STARGAZER / REBEL
火薬バカ一代 ★★★ (2012-03-08 22:36:41)
後にZARを結成する事で知られるトミー・クラウス(G)率いるドイツはシュツットガルト出身のHRバンドが、'82年に残した唯一のフル・アルバム。
本作最大のトピックは、LUCIFER'S FRIEND解散後はソロ活動を行っていたジョン・ロートンがシンガー兼プロデューサーとして参加している事で、当初ロートンはプロデューサーとしてレコーディング作業に携わっていたのだが、バンドのシンガーにあれこれアドバイスを送る内に「やっぱ貴方が歌ってくれよ」と説得され、最終的にシンガーも兼任する事となったそうな。
伊藤政則氏を始め、少なくない人たちが「ロートンの最高傑作といったらコレ!」とその名前を挙げるだけあって、歌心に溢れたGとリリカルなKey、コージー・パウエル型のDs、それに憂いに満ちた叙情メロディとが躍動する高品質なヨーロピアンHRサウンドの完成度には確かに心踊らされます(⑦はARGENTのカヴァーだったかな)。
ガチガチの様式美路線ではなく、軽快なノリや適度に隙間を活かしたアレンジ・センスからは70年代HR的な味わいも感じられる本作の主役は、やはり何と言ってもロニー・J・ディオとクラウス・マイネを足して2で割ったようなジョン・ロートンの強靭な歌声。勿論、今の彼も卓越した歌唱力を保持し続けていますが、この頃の歌声は別格の神罹り具合で、特に起伏に富んだ曲調に鮮烈なハイトーン・シャウトが映えるOPナンバー①、零れ落ちていくようなピアノによるイントロからして猛烈な哀愁を発散する⑤、スケールの大きなドラマ性を宿した〆の大作曲⑧の3曲は、取り分け強い存在感を放つ名曲。
これ1枚で終わってしまったのが惜しまれる完成度の1枚ですね。

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