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Talk of the Devil / Мастер(Master)
火薬バカ一代 ★★★ (2011-12-30 00:46:11)
ベルギーのスタジオで初の国外レコーディングを行い、英詞での曲作りにもチャレンジ、BLACK SABBATHのカヴァー曲を収録するなど欧米市場を意識して制作され、ソ連邦崩壊目前の'91年にリリースされた3rdアルバム。
ローパジェットのプロダクションに、巻き舌で歌うVoが漂わせる独特の哀愁etc・・・といった共産圏特有のクセやクサみが薄まった本作は、不吉な雰囲気漂うイントロ①を引き裂いてスタートする②から早くも、バキバキにビルドアップされた音像のもとリフ&リズムがマッシヴに刻まれる。これまでメロディアスに歌っていたミカエル・サリチェフもシャウト主体のVoスタイルに変貌を遂げ(てっきりフロントマンが交代したのかと思いましたよ)、より普遍的なスラッシュ・スタイルへの方向転換が図られているのが最大の特徴。
勇壮さと哀愁が同居したロシア語の歌唱と、硬質なスラッシュ・サウンドのミスマッチの旨みが失われてしまったのは残念ですが、勿論、随所に彼ららしさは息衝いており、中でもグレゴリアン聖歌風の厳粛なイントロが付けられた④、本編中最もパワー・メタリックな⑧、それにBLACK SABBATHの“PARANOID”を正統派HMテイストたっぷりにリアレンジした秀逸なカヴァー⑪辺りは、このバンドならではの個性と新味が化学反応を起こした大変素晴しい出来栄え。
「前2作は甘っちょろくて聴けねぇ」という欧米志向のスラッシャーにもお薦めできる、立派に世界レベルのクオリティを誇る1枚。

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